春風、漫ろに舞う
「…うわ。やらかした。」



ほんとに馬鹿だ。
最近、やる事の予定も何も手につかなくて立てられていなかったから。
計画性なんて皆無で、計画を立てることすら出来なかったから。


納期を忘れていた。
しかも、わたしにしては2回目の大きい企業とのタイアップで。



「あとは送るだけだったんだけど、柊送ってくれたかな。」



人任せで申し訳ないんだけど。
リーダーである柊が、企業との連絡を取っていたから。

最終的に完成品も送っていたし、大丈夫だとは思うけど。


一縷の望みを掛けて、柊に連絡を入れれば、すぐに返事は返ってきた。

気の利く男だから、ちゃんと納期には間に合うようにデータを送ってくれたとの事。
ただ、わたしと連絡が取れなかった事を心配してくれていたみたいで、あの連絡の多さだったらしい。



「芽来。飯出来た。」


「あ、うん。今行くよ。」



柊にお礼のメールと安否を伝えつつ、呼びにきてくれた藤雅と一緒にリビングへ行く。
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