春風、漫ろに舞う
「それじゃあ、お疲れ様でした。
打ち上げ参加できなくて残念です。
また機会があればお願いします。」
余韻に浸ることもなく。
わたしは彼らに別れを告げた。
所詮、彼らはただの同業者で。
必要以上に一緒にいる必要はない。
わたしには、藤雅が待ってるから。
「藤雅。お待たせ。」
「ん。お疲れ。」
ライブハウスの裏口…少し離れたところで待っていてくれた藤雅に駆け寄れば。
わたしを抱き寄せて微笑んでくれた。
もう慣れたもので、藤雅と一緒に車に乗り込めば十葵と蒼樹からも労りの言葉が。
「やきもち、妬かなくて良いんだからね。
あんなのパフォーマンスの一環だし、お仕事だし。」
「……チッ。」
話題は、もちろんさっきのライブ。
…というより、藤雅の態度だ。
嫌そうに、綺麗な顔を歪ませていたから。
関係者席に招待しておいて良かった。
舞台の斜め上に位置するところだから、わたしからはよく見えなかったことが幸い。
だって、ライブ中に見ちゃったら可愛くてライブそっちのけで藤雅の方行きたくなるもん。…絶対しないけど。
「あっちのグループ、俺の妹が好きでさ~。
部屋にポスターとか飾ってんのよね。」
「え、そうなんだ。
言ってくれたらサインくらい貰ってきたのに。
今日も来てたのかな?挨拶したかった。」
時々、話に出てくる十葵の妹さん。
確かわたしと同い年くらいって言ってたから。
会ってみたい気もする。…怖いけど。
打ち上げ参加できなくて残念です。
また機会があればお願いします。」
余韻に浸ることもなく。
わたしは彼らに別れを告げた。
所詮、彼らはただの同業者で。
必要以上に一緒にいる必要はない。
わたしには、藤雅が待ってるから。
「藤雅。お待たせ。」
「ん。お疲れ。」
ライブハウスの裏口…少し離れたところで待っていてくれた藤雅に駆け寄れば。
わたしを抱き寄せて微笑んでくれた。
もう慣れたもので、藤雅と一緒に車に乗り込めば十葵と蒼樹からも労りの言葉が。
「やきもち、妬かなくて良いんだからね。
あんなのパフォーマンスの一環だし、お仕事だし。」
「……チッ。」
話題は、もちろんさっきのライブ。
…というより、藤雅の態度だ。
嫌そうに、綺麗な顔を歪ませていたから。
関係者席に招待しておいて良かった。
舞台の斜め上に位置するところだから、わたしからはよく見えなかったことが幸い。
だって、ライブ中に見ちゃったら可愛くてライブそっちのけで藤雅の方行きたくなるもん。…絶対しないけど。
「あっちのグループ、俺の妹が好きでさ~。
部屋にポスターとか飾ってんのよね。」
「え、そうなんだ。
言ってくれたらサインくらい貰ってきたのに。
今日も来てたのかな?挨拶したかった。」
時々、話に出てくる十葵の妹さん。
確かわたしと同い年くらいって言ってたから。
会ってみたい気もする。…怖いけど。