春風、漫ろに舞う
「…どうぞ。」
家に着いてから。
藤雅たちにはコーヒーを。
自分の分は、レモネードを用意して。
わたしは、藤雅の腕の中で過去を振り返る。
藤雅がわたしを離そうとはしてくれなかったから。
「続きを話すね。
えーと…そうだ、初恋の話。
ただ足が速いから、とかそんなありきたりな些細な理由だったんだけど。」
そうだ、思い出した。
地域のサッカーチームに所属してる男の子で。
名前は忘れたけど…確か、リレーのアンカーしてたから。
わたしはかっこよくて好きだったんだ。
当時はまだ小学生だから、一緒に遊べたら良いなとか思っていた時にちょうどサッカー見に来ないかって誘われて。
お母さんと兄と、わたしで見に行った。
「サッカーなんて、見たこと無かったから。
ルールも分からなくて、全部兄に教えてもらっていた。
隣で兄が解説してくれるの。」
その中で、わたしが。
たった一言、言ったのがきっかけだった。
『足速いねー!かっこいいね!』
家に着いてから。
藤雅たちにはコーヒーを。
自分の分は、レモネードを用意して。
わたしは、藤雅の腕の中で過去を振り返る。
藤雅がわたしを離そうとはしてくれなかったから。
「続きを話すね。
えーと…そうだ、初恋の話。
ただ足が速いから、とかそんなありきたりな些細な理由だったんだけど。」
そうだ、思い出した。
地域のサッカーチームに所属してる男の子で。
名前は忘れたけど…確か、リレーのアンカーしてたから。
わたしはかっこよくて好きだったんだ。
当時はまだ小学生だから、一緒に遊べたら良いなとか思っていた時にちょうどサッカー見に来ないかって誘われて。
お母さんと兄と、わたしで見に行った。
「サッカーなんて、見たこと無かったから。
ルールも分からなくて、全部兄に教えてもらっていた。
隣で兄が解説してくれるの。」
その中で、わたしが。
たった一言、言ったのがきっかけだった。
『足速いねー!かっこいいね!』