春風、漫ろに舞う
「その後は…?」


「退院と同時に引っ越したから、分からない。
クラスも1年しか一緒じゃなかったから、そこまで親しくはなかったの。」


「…まさか、お前のお兄さんが…?」


「多分…いや、確実に。
その子だけじゃなかったから、そうなっていったの。
1番酷かったのがあの子だっただけで…。」



3年生の時に気になってた男の子も。
5年生で、宿泊研修で一緒の班になって仲良くなった男の子も。
…みんな、わたしの元から消えていった。


3年生の時に気になってた子は、イジメにあって不登校になった後に転校していったし。
5年生の宿泊研修の時の子は、わたしの事を嫌いになってしまったようで逆に虐められた。



「…そうした時に、必ず兄は慰めてくれるの。
可哀想なめぐる、僕のめぐるって。」



わたしが虐めにあっていた時。
お母さんたちには知られたくなくて、わたしが相談出来るのは兄だけだった。

決まっていつも、こう言っていた兄。


『大丈夫だよ。
この世界の全てが敵であろうと、僕は。
僕だけは君の味方だよ、めぐる。』


『めぐるを理解出来るのは僕だけ。
めぐるの味方は、僕だけ。
だから僕以外を信用したらダメだよ。』




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