春風、漫ろに舞う
「また今度、ゲストとして呼んでもいいですか?
しゅがぱfeat.煌月巡って感じで!」


「もちろんです。
それでは、お先に失礼します。」



急がなきゃ。
藤雅が待ってる、早く会いたい。


足早に、イベント会場を出ると。
見慣れた姿に、駆け寄った。



「おかえり。」


「…ただいま。」



藤雅の腕の中に顔を埋めたまま、返事を返す。


ここが好き。
落ち着くの、安心するの。
誰にも渡せない、渡さない。わたしだけの場所。



「お迎え、来てくれてありがとう。
間に合ったの?」


「…頑張った。」


「ありがと。」



無言で頭を差し出してくる藤雅の頭を。
背伸びして、よしよし撫でる。
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