春風、漫ろに舞う

翌日。
昨日夜更かししたせいで、案の定寝坊した。
いつも乗ってるバスを1本乗り過ごし、学校に着いたのはギリギリだった。



「おはよ〜。芽来がギリギリなんて珍しいじゃん。」


「おはよ、うん。寝坊しちゃってね。」



軽口を叩いてきた友達に対して、適当にあしらいながら今日あるテストの勉強を始める。

馬鹿だ、こいつらは。
無駄にこんなふうに朝からふざけてて。
今日のテストだって、内申点に繋がるのに。



「彩瀬さん、少しいいかな。」


「なんですか？」



1時間目が終わった中休み。
テストもそこそこの手応えで、友達と話をしているところ、担任の先生に呼ばれた。


なんだ…？
別に呼び出されるようなことはしてないけど。