春風、漫ろに舞う
「巡も表情作りすごかったじゃねえか!
俺見ててなんか変な気持ちになったぞ。」


「ほんと?
ほら、作詞してるのわたしだから歌詞の意味とか想像しやすくてね。
柊との掛け合いもいい感じになったから本当に良かった。出来上がるの楽しみね。」


「おう…そうだな!」



これからお祭りもあるし、バンド活動の方も忙しくなる。


それでも、このメンバーだからこそ。
頑張りたいと思えるし、頑張ろうって思えるんだよ。



「…巡。」


「ん?」



最寄り駅について、彪とも解散しようとした時。
彪に呼び止められた。


なんだろう。
彪がこんなに真面目な顔してるの久しぶりに見たかも。



「ありがとな。マジで。
俺の事、煌月に誘ってくれて…。
お前には感謝しかねえわ!気をつけて帰れよ!じゃあな!!」



それだけ言うと、彪は走って行った。


なんだ、言い逃げじゃん。
ありがとうって言いたいのは、わたしのほうだよ。
わたしについてきてくれてありがとう。








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