春風、漫ろに舞う
「芽来さんは心配性ですね。」


「第一印象くらいはよくしておきたいんで…。」


「あはは!
大丈夫だよ!芽来ちゃん!!
組長も姐さんも優しいから!」


「いや、なんか怖いよそれ逆に…。」



笑い飛ばす十葵に、なんだかもう返す気力も無くて。
このまま爆発しないかなあ、とか。
よく分からないことばかり考えていた。



「若、そろそろ着きます。」


「ああ。」



寝てると思ってた藤雅は、いつの間にか起きてきて。
着崩れたスーツを整えていた。


え、なに。
わたしも整えた方いいよね。
てか、わたしも制服で来るべきだった?
学生の正装って制服だよね?お葬式とかも制服で行くし。
あ、でもこれはお葬式じゃないから…。




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