モフぴよ精霊と領地でのんびり暮らすので、嫌われ公爵令嬢は冷徹王太子と婚約破棄したい
ベアトリスは内心満足して、うんうんとうなずく。そのときユリアンの様子がおかしいことに気がついた。
「王太子殿下、どうなさったんですか?」
ユリアンがベアトリスから完全に視線を逸らし、地面をじっと見つめていたのだ。
「もしかして、気分が悪いのですか?」
「い、いや、少し居たたまれなくなった……」
後半は彼らしくない小さな声で、うまく聞き取れない。ベアトリスは小さく首をかしげた。
「居たたまれないとはどういう意味でしょうか?」
ユリアンは大きく深呼吸をして、それからベアトリスと向き合った。
焚火のせいでずいぶんと顔が赤く見える。
「なんでもないんだ。もう大丈夫」
「そうですか……あ、お代わりが焼き上がりましたよ。どうぞ」
ベアトリスは最後の串焼きをユリアンに差し出す。彼はなにかを考えているような表情[Ya71][Ya72]でベアトリスを見つめていたが、以前のような厳しさは少しも感じなかった。
その後、交代で休もうとしたとき、突然ピピが飛び出してきた。
「ピピ!」
それまで内ポケットの中でとても静かに眠っていたというのに。
「ピピ、どうしたの? あ、おなかが空いたのかな?」
掘った芋はすべて食べてしまった。どうしようかと思っていると、ベアトリスの手のひらに乗るピピが違うとでもいうように、ふるふると体を左右に振る。
「きゅきゅ」
「王太子殿下、どうなさったんですか?」
ユリアンがベアトリスから完全に視線を逸らし、地面をじっと見つめていたのだ。
「もしかして、気分が悪いのですか?」
「い、いや、少し居たたまれなくなった……」
後半は彼らしくない小さな声で、うまく聞き取れない。ベアトリスは小さく首をかしげた。
「居たたまれないとはどういう意味でしょうか?」
ユリアンは大きく深呼吸をして、それからベアトリスと向き合った。
焚火のせいでずいぶんと顔が赤く見える。
「なんでもないんだ。もう大丈夫」
「そうですか……あ、お代わりが焼き上がりましたよ。どうぞ」
ベアトリスは最後の串焼きをユリアンに差し出す。彼はなにかを考えているような表情[Ya71][Ya72]でベアトリスを見つめていたが、以前のような厳しさは少しも感じなかった。
その後、交代で休もうとしたとき、突然ピピが飛び出してきた。
「ピピ!」
それまで内ポケットの中でとても静かに眠っていたというのに。
「ピピ、どうしたの? あ、おなかが空いたのかな?」
掘った芋はすべて食べてしまった。どうしようかと思っていると、ベアトリスの手のひらに乗るピピが違うとでもいうように、ふるふると体を左右に振る。
「きゅきゅ」