モフぴよ精霊と領地でのんびり暮らすので、嫌われ公爵令嬢は冷徹王太子と婚約破棄したい
ふたりで迷い込んだ森でのひととき、彼女はユリアンと出会った際の話をたしかにしていた。かなり詳細だったし、ユリアンにも覚えがあるものだった。誰かから伝え聞いた話とは思えない。
「それはユリアンが直接確認したのか?」
「そうだ。だから間違いない」
ゲオルグは難しい顔で考え込む。しばらくして口を開いた。
「わかった。だが彼女の変化はやはり不自然だ。特別ななにかがあったと考えた方がいい」
ユリアンはうなずいた。
「彼女に直接聞いてみる」
「ああ。ツェザールのことは俺に任せてくれ」
「頼んだ」
翌日。学院が休日のため、ユリアンはベアトリスが支援をしている王都外れの孤児院を訪れた。
最近の彼女は暇が出来るとここにいるから、先触れをしなくても待っていたら会えるだろう。
それに子どもたちと過ごす自然な彼女の笑顔を見たいという気持ちもあった。
孤児院の門をくぐると、楽しそうな声が聞こえてきた。
この先に幸せそうに笑う彼女がいる。想像したらユリアンの顔も自然とほころんだ。
建物の角を曲がった先が中庭だ。
「ぴいぴい!」
小鳥の高い声が耳に届いた。ベアトリスの精霊ピピだ。
「ピピ、降りてきてよー」
子どもたちはピピが大好きなようで、小さな羽で飛び回るピピを追っている。ピピも子どもたちと遊ぶのを楽しんでいるのか、ときどき降りてきて機嫌よさそうにさえずり始める。
「それはユリアンが直接確認したのか?」
「そうだ。だから間違いない」
ゲオルグは難しい顔で考え込む。しばらくして口を開いた。
「わかった。だが彼女の変化はやはり不自然だ。特別ななにかがあったと考えた方がいい」
ユリアンはうなずいた。
「彼女に直接聞いてみる」
「ああ。ツェザールのことは俺に任せてくれ」
「頼んだ」
翌日。学院が休日のため、ユリアンはベアトリスが支援をしている王都外れの孤児院を訪れた。
最近の彼女は暇が出来るとここにいるから、先触れをしなくても待っていたら会えるだろう。
それに子どもたちと過ごす自然な彼女の笑顔を見たいという気持ちもあった。
孤児院の門をくぐると、楽しそうな声が聞こえてきた。
この先に幸せそうに笑う彼女がいる。想像したらユリアンの顔も自然とほころんだ。
建物の角を曲がった先が中庭だ。
「ぴいぴい!」
小鳥の高い声が耳に届いた。ベアトリスの精霊ピピだ。
「ピピ、降りてきてよー」
子どもたちはピピが大好きなようで、小さな羽で飛び回るピピを追っている。ピピも子どもたちと遊ぶのを楽しんでいるのか、ときどき降りてきて機嫌よさそうにさえずり始める。