モフぴよ精霊と領地でのんびり暮らすので、嫌われ公爵令嬢は冷徹王太子と婚約破棄したい
なぜなら女の子はロゼが見たことがないような変わった服を着ているからだ。前に合わせがあり、幅の広い帯でウエスト部分を留めている。袖は手首に向かうほど幅広になっている。かなり汚れてしまっているが、もともとは真っ白な生地だったのだろう。
肌には汚れが付着し、薄い茶色の髪は傷んで見えたが、深い緑の瞳だけは澄んでキラキラ輝いていた。
『あなたは……』
ロゼは背負っていた芋入りのかごを地面に下ろして、自分も屈み込む。
怯えている様子の子どもと目線を合わせて少しでも安心させるためだ。
『大丈夫よ』
優しく声をかけると、女の子はロゼをじっと見つめてから意を決したように近づいてきた。
近くで見るとますます、ロゼの身近な子どもとは違う雰囲気を感じた。
(まさか、貴族の子じゃないよね)
ふとそんな考えが浮かんだが、すぐに打ち消した。
もしどこかの令嬢が迷い込んでしまったのだとしたら、今頃大がかりな捜索隊が組まれ森は大騒ぎになっているだろうから。
『こんにちは。私はロゼというの。あなたは迷子になっちゃったのかな?』
問いかけると女の子はふるふると首を横に振る。
『お名前は言える? この森にはお父さんとお母さんと一緒に来たのかな?』
なにかに葛藤している様子だった子どもが、しばらくすると口を開く。
『レ、ネ……』
『レネちゃんって言うのね?』
肌には汚れが付着し、薄い茶色の髪は傷んで見えたが、深い緑の瞳だけは澄んでキラキラ輝いていた。
『あなたは……』
ロゼは背負っていた芋入りのかごを地面に下ろして、自分も屈み込む。
怯えている様子の子どもと目線を合わせて少しでも安心させるためだ。
『大丈夫よ』
優しく声をかけると、女の子はロゼをじっと見つめてから意を決したように近づいてきた。
近くで見るとますます、ロゼの身近な子どもとは違う雰囲気を感じた。
(まさか、貴族の子じゃないよね)
ふとそんな考えが浮かんだが、すぐに打ち消した。
もしどこかの令嬢が迷い込んでしまったのだとしたら、今頃大がかりな捜索隊が組まれ森は大騒ぎになっているだろうから。
『こんにちは。私はロゼというの。あなたは迷子になっちゃったのかな?』
問いかけると女の子はふるふると首を横に振る。
『お名前は言える? この森にはお父さんとお母さんと一緒に来たのかな?』
なにかに葛藤している様子だった子どもが、しばらくすると口を開く。
『レ、ネ……』
『レネちゃんって言うのね?』