モフぴよ精霊と領地でのんびり暮らすので、嫌われ公爵令嬢は冷徹王太子と婚約破棄したい
小さな子には似つかわしくないガラガラに乾いた声で、ロゼは内心驚いていた。
もちろん顔には出さずに微笑み、レネを安心させてやる。
『レネちゃん、お家がわかるならお姉ちゃんが送ってあげるわ』
レネがキョロキョロ視線をさまよわせる。なにかに怯えるようなその様子に、ロゼは眉をしかめた。
『……おうち、ない』
掠れた声が告げたその言葉に、ロゼは息をのんだ。そして悲しげに眉を下げてから、無理やり笑顔をつくった。
『それならお姉ちゃんの育った家に帰ろうね』
きっとこの子は親に捨てられたのだろう。年に一度くらいの頻度ではあるが、孤児院に自分の子どもを置いていく親が存在する。レネのように森に置き去りにされた子は初めて見たが。
レネはロゼについてくるのを嫌がりはしなかったが、自力で歩けない様子だったのでロゼが背負って孤児院に向かった。
彼女はとても小さいし片言だが、実は六歳とのことでロゼを驚かせた。
(きっとまともな食事をしてこなかったんだわ。言葉が発達していないのは、話し相手がいなかったからね)
レネはよくない環境にいたのだと容易に想像出来た。
その後、院長とシスターと検討した結果、レネを孤児院の新しい仲間として迎えることになった。
もちろん顔には出さずに微笑み、レネを安心させてやる。
『レネちゃん、お家がわかるならお姉ちゃんが送ってあげるわ』
レネがキョロキョロ視線をさまよわせる。なにかに怯えるようなその様子に、ロゼは眉をしかめた。
『……おうち、ない』
掠れた声が告げたその言葉に、ロゼは息をのんだ。そして悲しげに眉を下げてから、無理やり笑顔をつくった。
『それならお姉ちゃんの育った家に帰ろうね』
きっとこの子は親に捨てられたのだろう。年に一度くらいの頻度ではあるが、孤児院に自分の子どもを置いていく親が存在する。レネのように森に置き去りにされた子は初めて見たが。
レネはロゼについてくるのを嫌がりはしなかったが、自力で歩けない様子だったのでロゼが背負って孤児院に向かった。
彼女はとても小さいし片言だが、実は六歳とのことでロゼを驚かせた。
(きっとまともな食事をしてこなかったんだわ。言葉が発達していないのは、話し相手がいなかったからね)
レネはよくない環境にいたのだと容易に想像出来た。
その後、院長とシスターと検討した結果、レネを孤児院の新しい仲間として迎えることになった。