モフぴよ精霊と領地でのんびり暮らすので、嫌われ公爵令嬢は冷徹王太子と婚約破棄したい
いつにない彼女の態度が心配だったが、その後クロイツァー公爵家から断ったはずのエスコートを求める手紙が届いたので、たいしたことはなかったのだと判断して、断りの手紙を書き使者に託した――。
(そういえば、あのときから頭痛に苦しんでいるようだった)
先日孤児院で倒れたときの姿と重なる。それに気づいたユリアンは、不安を覚えながらランベルトを見つめた。
「ベアトリスには持病があるのか?」
ランベルトは意外そうに首をかしげた。
「いえ。健康そのものですが。定期的な健診でも問題は見つかっていません」
「そうだったな……しかし、ベアトリスはときどき頭痛に悩まされている。今日も孤児院で倒れたので先ほど公爵邸まで送ったところだ」
「倒れた?」
ランベルトの表情が曇った。
「シスターの見立てでは貧血だそうだ。公爵邸に戻ったら医師に診せるように言ってある。ただ、以前も頭痛に苦しんでいるのを見た」
「妹がご迷惑をおかけして申し訳ありません」
「礼はいい。それよりも本当に問題ないのだろうか」
「屋敷で過ごすときにそのような様子はありません。ただ召喚式の前日に王太子殿下の使者と会った際、興奮しすぎたのか倒れました。妹が変わったのはその後目覚めてからですね」
「……ベアトリスに聞いてみたか?」
「変わった理由ですか? いいえ。聞かれたくない様子なので」
ユリアンはわずかに目を見張る。
(そういえば、あのときから頭痛に苦しんでいるようだった)
先日孤児院で倒れたときの姿と重なる。それに気づいたユリアンは、不安を覚えながらランベルトを見つめた。
「ベアトリスには持病があるのか?」
ランベルトは意外そうに首をかしげた。
「いえ。健康そのものですが。定期的な健診でも問題は見つかっていません」
「そうだったな……しかし、ベアトリスはときどき頭痛に悩まされている。今日も孤児院で倒れたので先ほど公爵邸まで送ったところだ」
「倒れた?」
ランベルトの表情が曇った。
「シスターの見立てでは貧血だそうだ。公爵邸に戻ったら医師に診せるように言ってある。ただ、以前も頭痛に苦しんでいるのを見た」
「妹がご迷惑をおかけして申し訳ありません」
「礼はいい。それよりも本当に問題ないのだろうか」
「屋敷で過ごすときにそのような様子はありません。ただ召喚式の前日に王太子殿下の使者と会った際、興奮しすぎたのか倒れました。妹が変わったのはその後目覚めてからですね」
「……ベアトリスに聞いてみたか?」
「変わった理由ですか? いいえ。聞かれたくない様子なので」
ユリアンはわずかに目を見張る。