モフぴよ精霊と領地でのんびり暮らすので、嫌われ公爵令嬢は冷徹王太子と婚約破棄したい
「王家はもちろん我が公爵家も捜索をしている。成果は上がらないが、別件の情報が入ってきてね。それによると、近いうちにこの王都で騒ぎが起きそうなんだ。だから念のためベアトリスの警護を強化する。もちろん母上も同様だ」
「王都での騒ぎ……それはクロイツァー公爵家が狙われるのですか?」
ランベルトはベアトリスを安心させるように微笑む。最近の彼は以前よりもベアトリスに優しくなった気がする。
「いや、我々は直接的な関係はない。だが運悪く巻き込まれた場合の対策は取っておかないといけない。そもそも騒ぎ自体が起きないように動いてはいるが、用心はするに越したことはない」
「そうですね」
ランベルトの言う通りだが、ベアトリスの胸に不快感が生まれた。それは強い不安からくるものだ。
「護衛がいる私たちはいいとして、王都の人たちが心配です」
ベアトリスが面倒を見ている子どもたちの孤児院も、外れとはいえ王都にある。
(とても心配だわ)
平民街にも警備する騎士がいるが、十分な人数とは言えない。とくに孤児院は残念ながら優先されないのが現状だ。
(公爵家の私兵で子どもたちを守れたらいいのに)
しかしそれは難しいだろう。いくらクロイツァー公爵家といえど、タウンハウスを守る騎士の数には限りがある。公爵邸で働く使用人や公爵家が運営する店舗など、守るべきところは多いのだ。
「王都での騒ぎ……それはクロイツァー公爵家が狙われるのですか?」
ランベルトはベアトリスを安心させるように微笑む。最近の彼は以前よりもベアトリスに優しくなった気がする。
「いや、我々は直接的な関係はない。だが運悪く巻き込まれた場合の対策は取っておかないといけない。そもそも騒ぎ自体が起きないように動いてはいるが、用心はするに越したことはない」
「そうですね」
ランベルトの言う通りだが、ベアトリスの胸に不快感が生まれた。それは強い不安からくるものだ。
「護衛がいる私たちはいいとして、王都の人たちが心配です」
ベアトリスが面倒を見ている子どもたちの孤児院も、外れとはいえ王都にある。
(とても心配だわ)
平民街にも警備する騎士がいるが、十分な人数とは言えない。とくに孤児院は残念ながら優先されないのが現状だ。
(公爵家の私兵で子どもたちを守れたらいいのに)
しかしそれは難しいだろう。いくらクロイツァー公爵家といえど、タウンハウスを守る騎士の数には限りがある。公爵邸で働く使用人や公爵家が運営する店舗など、守るべきところは多いのだ。