モフぴよ精霊と領地でのんびり暮らすので、嫌われ公爵令嬢は冷徹王太子と婚約破棄したい
「ベアトリスの気持ちはよくわかる。だが事前に知っていたとしても、クロイツァー公爵家のように精鋭の騎士をかかえている家はほんの一部だ。それなのに危機を知らせたら混乱して、例えば傭兵の奪い合いや、王都を離れるなどの行動を取る者が出てくるだろう。貴族の動揺は一般の民の生活にも影響が出る」
「そう……かもしれません」
ベアトリスはふと、前世の記憶を思い出した。
ロゼが宿屋の仕事の合間に孤児院を手伝っていたところに、どこかの貴族の従者たちがやって来て、孤児院の中を家捜したのだ。
なんでも大切なものをなくして、近隣一帯を捜しているのだとか。
そんな大事なものならきちんと管理しておけと誰もが言いたかったはずだが、貴族に逆らうのは危険なため、不満ながらも黙っていた。
結局捜し物は見つからず、孤児院内をめちゃくちゃにして謝りもせずに彼らは引き上げていった。後日聞いた話では、捜し物は結局見つからず被害に遭った平民の家はかなりの数になったそうだ――。
(たったひとつのなくしもので大騒ぎをしたんだもの。危険が迫ってるなんて知ったら大騒ぎして、例えば食料の買いだめなどする貴族がいても不思議はないわ)
とくに力のない下位貴族は日頃からの備えが十分とは言えないため、平民たちから奪う可能性がある。
「そう……かもしれません」
ベアトリスはふと、前世の記憶を思い出した。
ロゼが宿屋の仕事の合間に孤児院を手伝っていたところに、どこかの貴族の従者たちがやって来て、孤児院の中を家捜したのだ。
なんでも大切なものをなくして、近隣一帯を捜しているのだとか。
そんな大事なものならきちんと管理しておけと誰もが言いたかったはずだが、貴族に逆らうのは危険なため、不満ながらも黙っていた。
結局捜し物は見つからず、孤児院内をめちゃくちゃにして謝りもせずに彼らは引き上げていった。後日聞いた話では、捜し物は結局見つからず被害に遭った平民の家はかなりの数になったそうだ――。
(たったひとつのなくしもので大騒ぎをしたんだもの。危険が迫ってるなんて知ったら大騒ぎして、例えば食料の買いだめなどする貴族がいても不思議はないわ)
とくに力のない下位貴族は日頃からの備えが十分とは言えないため、平民たちから奪う可能性がある。