モフぴよ精霊と領地でのんびり暮らすので、嫌われ公爵令嬢は冷徹王太子と婚約破棄したい
告白
「こちらにどうぞ」
通された応接室には、ユリアンの姿があった。
「ユリアン様?」
ソファーに座っていた彼は、ベアトリスが入室するとすぐに立ち上がった。
「ベアトリス、カロリーネ嬢。説明もなく呼び出して悪かった」
「とんでもございません、王太子殿下」
カロリーネが真剣な表情で答える。
「教室では皆が混乱していますから、こちらに呼んで頂いてよかったです」
ベアトリスがそう言うと、ユリアンはうなずきふたりにソファーに座るように促す。
「教室内の騒動は知っている。ほかのクラスはさらに混乱しているようだ」
「それは同じように精霊の件でしょうか?」
「そうだ。一部の者の精霊がダメージを受けたように弱っている。王宮でも早朝に使用人のひとりが気づき、騒ぎになった。公爵や学院長らを呼び出したのはその対応を話し合うためだ」
「そうなんですね」
つまり問題は学院の生徒だけのものではなく、もっと大きな範囲で起きているということだ。
「ベアトリスの精霊の様子はどうだ?」
「ピピも朝からぐったりしています」