モフぴよ精霊と領地でのんびり暮らすので、嫌われ公爵令嬢は冷徹王太子と婚約破棄したい
王家と三大公爵家が必死に捜しても見つからない聖女。そして突然の精霊の異変。
(もしかしたら、聖女様の命が危険にさらされているのかもしれない)
神木は自らに力を与える存在が失われつつあることに気づき、枯れてしまっているのだろうか。
(実際なにが起きているのか想像も出来ないけれど)
「まだ詳細はわかっていない。だが念のため生徒は帰宅するようにと学院長からの指示がこれから出る予定だ。ふたりはその前に送るようにする。近衛騎士が迎えに来るから支度をしてくれ」
ベアトリスは素直にうなずいた。しかしカロリーネは戸惑いの表情だ。
「ベアトリスはわかりますが、私まで特別扱いをして頂くわけにはいきません」
「いや、カロリーネ嬢は貴重な上位治癒魔法の使い手だ。いつその力が必要となるかわからない状況の今、安全を確保するのは当然だ」
「承知いたしました」
緊迫感を感じ取ったカロリーネが、しっかりした様子で答える。
そしてすぐに動きだして、学院を後にした。
「ベアトリスは私が送る」
「ユリアン様が?」
「ああ。行こう」
ユリアンはためらいなくベアトリスの手を取り歩き始める。
ちらりとうかがい見た横顔には、滅多に見られない不安が表れていた。
(聖女様が無事か心配で仕方ないんだわ)
本音ではベアトリスにかまっている暇はないのだろう。一刻も早く解決に向けて行動したいはず。
(もしかしたら、聖女様の命が危険にさらされているのかもしれない)
神木は自らに力を与える存在が失われつつあることに気づき、枯れてしまっているのだろうか。
(実際なにが起きているのか想像も出来ないけれど)
「まだ詳細はわかっていない。だが念のため生徒は帰宅するようにと学院長からの指示がこれから出る予定だ。ふたりはその前に送るようにする。近衛騎士が迎えに来るから支度をしてくれ」
ベアトリスは素直にうなずいた。しかしカロリーネは戸惑いの表情だ。
「ベアトリスはわかりますが、私まで特別扱いをして頂くわけにはいきません」
「いや、カロリーネ嬢は貴重な上位治癒魔法の使い手だ。いつその力が必要となるかわからない状況の今、安全を確保するのは当然だ」
「承知いたしました」
緊迫感を感じ取ったカロリーネが、しっかりした様子で答える。
そしてすぐに動きだして、学院を後にした。
「ベアトリスは私が送る」
「ユリアン様が?」
「ああ。行こう」
ユリアンはためらいなくベアトリスの手を取り歩き始める。
ちらりとうかがい見た横顔には、滅多に見られない不安が表れていた。
(聖女様が無事か心配で仕方ないんだわ)
本音ではベアトリスにかまっている暇はないのだろう。一刻も早く解決に向けて行動したいはず。