モフぴよ精霊と領地でのんびり暮らすので、嫌われ公爵令嬢は冷徹王太子と婚約破棄したい
「私は聖女ではないんですよね」
ほぼ間違いなくレネが聖女だが、念のために確認する。
「はい」
即答だった。
「だったら、仮に私に特別な力があるとしても、できません。神木に私の魔力を流してもし悪化したらどうするのですか? 聖女様を捜すべきです」
(レネは今どうしているのかしら。無事なの?)
心配で今すぐ捜しに行きたい衝動に駆られる。
「残念ですがそれでは間に合いません。神木には一刻も早く魔力を与える必要があるのです。ベアトリス嬢、あなたは神木が枯れてもいいと考えているのですか?」
「いいえ、そんなことは言ってません。ただ……」
ベアトリスが反論の言葉を探していると、それまで黙って控えていたツェザールが一歩前に出た。
「スラニナ大司教、聖女がすぐに見つからないと、なぜ断言出来るのですか?」
横目で見たツェザールの顔には、それまでなかったスラニナ大司教への不信感が浮かんでいる。
ずっと微笑んでいたスラニナ大司教が、初めてほんのわずかではあるものの不快さを見せた。
「それは部外者には申し上げられません」
「どういうことですか? クロイツァー公爵令嬢を連れてくれば、聖女の居場所につながる情報を渡してもらうと約束したはずですが。そもそも彼女に特別な力があるなんて聞いていない」
どうやらツェザールはスラニナ大司教に騙されたようで、予想外の展開に憤慨している。
ほぼ間違いなくレネが聖女だが、念のために確認する。
「はい」
即答だった。
「だったら、仮に私に特別な力があるとしても、できません。神木に私の魔力を流してもし悪化したらどうするのですか? 聖女様を捜すべきです」
(レネは今どうしているのかしら。無事なの?)
心配で今すぐ捜しに行きたい衝動に駆られる。
「残念ですがそれでは間に合いません。神木には一刻も早く魔力を与える必要があるのです。ベアトリス嬢、あなたは神木が枯れてもいいと考えているのですか?」
「いいえ、そんなことは言ってません。ただ……」
ベアトリスが反論の言葉を探していると、それまで黙って控えていたツェザールが一歩前に出た。
「スラニナ大司教、聖女がすぐに見つからないと、なぜ断言出来るのですか?」
横目で見たツェザールの顔には、それまでなかったスラニナ大司教への不信感が浮かんでいる。
ずっと微笑んでいたスラニナ大司教が、初めてほんのわずかではあるものの不快さを見せた。
「それは部外者には申し上げられません」
「どういうことですか? クロイツァー公爵令嬢を連れてくれば、聖女の居場所につながる情報を渡してもらうと約束したはずですが。そもそも彼女に特別な力があるなんて聞いていない」
どうやらツェザールはスラニナ大司教に騙されたようで、予想外の展開に憤慨している。