モフぴよ精霊と領地でのんびり暮らすので、嫌われ公爵令嬢は冷徹王太子と婚約破棄したい
「クロイツァー公爵令嬢が料理?」
「あの、たいしたものは作れませんけど、自分が食べる分だけです」
「なぜ自分で作ろうと?」
「ええと……朝食の残りをお弁当にしたら無駄がないなと思いまして」
懐かしい庶民の味を求めた結果だが、それは秘密だ。
「無駄がない……」
ユリアンはなにか考え込むように黙ってしまった。ベアトリスもどうしたらいいのかわからず口をつぐむ。
(さっきから質問攻めだけど、ユリアン王太子はなにを考えてるのかな)
やけに難しい表情をしているから不機嫌なのだろう。
そういえば召喚式でも、ユリアンはベアトリスのやらかしにいちいち注意をしてきて、まるでお目つけ役のようだった。たぶん公爵令嬢のベアトリスに文句を言えるのが彼だけだから、ほかの生徒のために行動しているのだろう。
となると、今こうして現れたのは、知らないうちにまたなにかやらかしたのかもしれない。
(召喚式の後はおとなしくしていたはずなんだけどな)
ここ最近の自分の行動を振り返る。
家と学院の往復の日々で、思いあたることはないのだけれど……。
(あっ、もしかしてあれかな?)
しばらく考えてから、ベアトリスは先日耳にした噂を思い出した。
〝王太子殿下は、クロイツァー公爵令嬢と婚約解消するようだ〟
「あの、たいしたものは作れませんけど、自分が食べる分だけです」
「なぜ自分で作ろうと?」
「ええと……朝食の残りをお弁当にしたら無駄がないなと思いまして」
懐かしい庶民の味を求めた結果だが、それは秘密だ。
「無駄がない……」
ユリアンはなにか考え込むように黙ってしまった。ベアトリスもどうしたらいいのかわからず口をつぐむ。
(さっきから質問攻めだけど、ユリアン王太子はなにを考えてるのかな)
やけに難しい表情をしているから不機嫌なのだろう。
そういえば召喚式でも、ユリアンはベアトリスのやらかしにいちいち注意をしてきて、まるでお目つけ役のようだった。たぶん公爵令嬢のベアトリスに文句を言えるのが彼だけだから、ほかの生徒のために行動しているのだろう。
となると、今こうして現れたのは、知らないうちにまたなにかやらかしたのかもしれない。
(召喚式の後はおとなしくしていたはずなんだけどな)
ここ最近の自分の行動を振り返る。
家と学院の往復の日々で、思いあたることはないのだけれど……。
(あっ、もしかしてあれかな?)
しばらく考えてから、ベアトリスは先日耳にした噂を思い出した。
〝王太子殿下は、クロイツァー公爵令嬢と婚約解消するようだ〟