モフぴよ精霊と領地でのんびり暮らすので、嫌われ公爵令嬢は冷徹王太子と婚約破棄したい
もともとベアトリスたちの婚約は、クロイツァー公爵家を味方に引き込みたい王家から強く望まれたもの。いくらベアトリスが性格に問題のある令嬢だとしても、王命を覆すのは難しそうだ。
すぐにでも婚約解消してほしいというのが本音だけれど、余計なことはしない方がいい。ユリアンが動いてくれるのを待とうと考えた。
(あれ? それならユリアン王太子はなんの用事があってここまで来たのかな)
首をかしげていると、彼は疲れたような顔をした。
「あと少しで長期休暇になる。昨年のような騒ぎは起こさないように」
「はい、お約束します」
優等生のような返事をすると、ユリアンはまだなにか言いたげにしながらも、踵を返して立ち去った。
(ああ……緊張した)
ユリアンからはまさに王族といった威圧感のようなものを感じるから、真正面から向き合う会話は精神を削られる。
ベアトリスは体の力を抜き息を吐いた。
昼休みも残りあと少し。
弁当箱を片づけながら、ユリアンの先ほどの発言について考える。
『昨年のような騒ぎは起こさないように』
釘を刺されたのだろうが、過去のベアトリスはいったいなにをしでかしたのか。
思い出そうとしたものの、これといった記憶がなかった。
すぐにでも婚約解消してほしいというのが本音だけれど、余計なことはしない方がいい。ユリアンが動いてくれるのを待とうと考えた。
(あれ? それならユリアン王太子はなんの用事があってここまで来たのかな)
首をかしげていると、彼は疲れたような顔をした。
「あと少しで長期休暇になる。昨年のような騒ぎは起こさないように」
「はい、お約束します」
優等生のような返事をすると、ユリアンはまだなにか言いたげにしながらも、踵を返して立ち去った。
(ああ……緊張した)
ユリアンからはまさに王族といった威圧感のようなものを感じるから、真正面から向き合う会話は精神を削られる。
ベアトリスは体の力を抜き息を吐いた。
昼休みも残りあと少し。
弁当箱を片づけながら、ユリアンの先ほどの発言について考える。
『昨年のような騒ぎは起こさないように』
釘を刺されたのだろうが、過去のベアトリスはいったいなにをしでかしたのか。
思い出そうとしたものの、これといった記憶がなかった。