モフぴよ精霊と領地でのんびり暮らすので、嫌われ公爵令嬢は冷徹王太子と婚約破棄したい
望んでいた通りの状況になったのだ。
すぐにでも婚約解消を申し出ようと思った。ただユリアンは、ベアトリスを必要以上に貶(おとし)めたいわけじゃない。彼女の罪には罰が必要だが、それは法に則って行うべきだからだ。
婚約解消については人気のないところで本人に伝えて、学院が休みになると同時に正式な手続きを踏もうと考えた。
ところが、召喚式の次の日から、それまでさんざんユリアンに付きまとっていたベアトリスが忽然と姿を見せなくなった。
ユリアンの視界に入るのは授業中のみで、休み時間はいつの間にかどこかに消えている。
初日は、召喚に失敗したことでへそを曲げているだけでそのうち寄ってくるだろうと軽く考えた。それが続くと、なにか企んでいるのではと不審感を抱くようになった。
十日経っても寄ってくるどころか、むしろユリアンとの接触を避けている。
ユリアン以外に対しても関わりを持たなくなり、わがまま放題の態度もすっかり鳴りを潜めている。
他人に迷惑をかけなくなっただけでも、彼女の変化は好転と言えるだろう。しかしそんなベアトリスの態度に、ユリアンはなぜかいら立っていた。
今日、ユリアンは、昼休みになった途端に教室を飛び出したベアトリスの後を追った。
そこで驚く光景を目にする。
人気のない裏庭のベンチに座ったベアトリスが、ひとりで食事をし始めたのだ。
すぐにでも婚約解消を申し出ようと思った。ただユリアンは、ベアトリスを必要以上に貶(おとし)めたいわけじゃない。彼女の罪には罰が必要だが、それは法に則って行うべきだからだ。
婚約解消については人気のないところで本人に伝えて、学院が休みになると同時に正式な手続きを踏もうと考えた。
ところが、召喚式の次の日から、それまでさんざんユリアンに付きまとっていたベアトリスが忽然と姿を見せなくなった。
ユリアンの視界に入るのは授業中のみで、休み時間はいつの間にかどこかに消えている。
初日は、召喚に失敗したことでへそを曲げているだけでそのうち寄ってくるだろうと軽く考えた。それが続くと、なにか企んでいるのではと不審感を抱くようになった。
十日経っても寄ってくるどころか、むしろユリアンとの接触を避けている。
ユリアン以外に対しても関わりを持たなくなり、わがまま放題の態度もすっかり鳴りを潜めている。
他人に迷惑をかけなくなっただけでも、彼女の変化は好転と言えるだろう。しかしそんなベアトリスの態度に、ユリアンはなぜかいら立っていた。
今日、ユリアンは、昼休みになった途端に教室を飛び出したベアトリスの後を追った。
そこで驚く光景を目にする。
人気のない裏庭のベンチに座ったベアトリスが、ひとりで食事をし始めたのだ。