モフぴよ精霊と領地でのんびり暮らすので、嫌われ公爵令嬢は冷徹王太子と婚約破棄したい
さらに彼女は、精霊と仲よくしていると言いだした。
(精霊を従えた、とは言わないんだな)
目の前の女性が、本当に長年ユリアンを悩ませたベアトリスなのだろうか。
姿(すがた)形(かたち)は変わらない。それなのにまるで中身が変わってしまったようだった。
雰囲気まで変化していて、今のベアトリスは庇護欲を刺激する。
(どうしてなんだ?)
突然の変化が納得出来ずに問いつめる。
すると彼女は、少し緊張した様子でこちらを見た。
悪意のない澄んだ瞳と視線が重なり、ユリアンの鼓動が跳ねる。
『はい。心を入れ替えました。二度と皆様に迷惑をかけないと誓います。もちろん王太子殿下にも近づかないようにいたします』
『婚約解消まではしっかり務めを果たします』
彼女の言葉は衝撃的だった。まさかと思った。いったいなにが起きているんだ?
ベアトリスに婚約解消を告げたら、彼女は激しく動揺し抵抗するだろうと思っていた。
しかし実際動揺したのはユリアンの方だった。
当初の用件を伝えることは出来ないどころか、話の流れで『婚約解消は考えていない』と宣言して、ベアトリスの前から立ち去ったのだ――。
(精霊を従えた、とは言わないんだな)
目の前の女性が、本当に長年ユリアンを悩ませたベアトリスなのだろうか。
姿(すがた)形(かたち)は変わらない。それなのにまるで中身が変わってしまったようだった。
雰囲気まで変化していて、今のベアトリスは庇護欲を刺激する。
(どうしてなんだ?)
突然の変化が納得出来ずに問いつめる。
すると彼女は、少し緊張した様子でこちらを見た。
悪意のない澄んだ瞳と視線が重なり、ユリアンの鼓動が跳ねる。
『はい。心を入れ替えました。二度と皆様に迷惑をかけないと誓います。もちろん王太子殿下にも近づかないようにいたします』
『婚約解消まではしっかり務めを果たします』
彼女の言葉は衝撃的だった。まさかと思った。いったいなにが起きているんだ?
ベアトリスに婚約解消を告げたら、彼女は激しく動揺し抵抗するだろうと思っていた。
しかし実際動揺したのはユリアンの方だった。
当初の用件を伝えることは出来ないどころか、話の流れで『婚約解消は考えていない』と宣言して、ベアトリスの前から立ち去ったのだ――。