魔法のいらないシンデレラ
「かんぱーい!」

瑠璃と奈々は、高々とグラスを上げてカチンと鳴らす。

ゴクゴクとグラスの半分ほどまで飲み干すと、二人同時に、はあーと声を出し、笑い合った。

「美味しいねー!」
「本当に。最高の気分だよね」

あのあと、花火大会の日程や具体的な屋台の話をすると、おじいさんは、
「東京かー、浮かれてまうな」
と言って、照れたように笑っていた。

先程、早速青木に電話で報告すると、でかした!という青木の声に続いて、うおー!と皆の雄叫びも聞こえてきた。
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