魔法のいらないシンデレラ
そして、奈々発案のハヤシライス販売。

こちらも、加藤が探してきてくれた高級弁当にも使われるパッケージと、奈々のデザインしたロゴシールのおかげで、無事に調理部からゴーサインをもらうことが出来た。

当日の忙しさを考えて、50食しか無理だよと言われたが、その方がプレミア感もあっていいかも?と皆で頷いた。

そうこうしているうちに、ホテルの繁忙期、夏休みに突入した。

企画広報課はイベントにかかり切りになり、瑠璃と奈々もパンフレットの制作は一旦お休み、縁日の店番や、星空観察のお手伝いに追われた。

とは言っても、子ども達と一緒に綿あめを作ったり、星空を眺めて絵を描いたりと、瑠璃にとっては楽しいことばかりだった。

夜遅くまでホテルに残る時は、オフィス棟の仮眠室に泊まる。

二段ベッドの上下に分かれて奈々と一緒に眠り、時には夜遅くまでおしゃべりする。

まるで学生のような夏休みを過ごしていた。
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