魔法のいらないシンデレラ
第十八章 高坂会長
「あれから色々調べましたが…」
一夜明けた総支配人室。
一生は難しい顔で顧問弁護士と向き合っていた。
「どうやら今回は、週刊誌の単なるゴシップ記事ではないようです」
「どういう意味だ?」
「はい。裏で、ごく一部のホテル同士が手を組んで、ああいった記事を書くようにと週刊誌に働きかけたようです。このホテルを落とし入れる為に」
なに?!と一生は険しい表情になる。
「最近フォルトゥーナが、京都の老舗ガラス工房と提携を結んだことがマスコミにも取り上げられ、大きく注目されました。収益も一気に上がっています。そしてホテル業界では重鎮の、ホテル高坂の会長が、フォルトゥーナの総支配人と頻繁に会っている。何やら大きな動きがあるのでは?もしや、2つのホテルが手を組むのでは?などという噂もあります」
一生は、ドサッと背もたれに体を預けた。
「つまり、妬んだってことか?」
「おそらく」
はあと大きく息を吐いた時、早瀬が近づいて来た。
「お話中、失礼致します。総支配人、あと5分ほどで高坂会長が到着されます」
「分かった」
一生は立ち上がると、また何か分かり次第報告するようにと弁護士に告げて、部屋を出た。
一夜明けた総支配人室。
一生は難しい顔で顧問弁護士と向き合っていた。
「どうやら今回は、週刊誌の単なるゴシップ記事ではないようです」
「どういう意味だ?」
「はい。裏で、ごく一部のホテル同士が手を組んで、ああいった記事を書くようにと週刊誌に働きかけたようです。このホテルを落とし入れる為に」
なに?!と一生は険しい表情になる。
「最近フォルトゥーナが、京都の老舗ガラス工房と提携を結んだことがマスコミにも取り上げられ、大きく注目されました。収益も一気に上がっています。そしてホテル業界では重鎮の、ホテル高坂の会長が、フォルトゥーナの総支配人と頻繁に会っている。何やら大きな動きがあるのでは?もしや、2つのホテルが手を組むのでは?などという噂もあります」
一生は、ドサッと背もたれに体を預けた。
「つまり、妬んだってことか?」
「おそらく」
はあと大きく息を吐いた時、早瀬が近づいて来た。
「お話中、失礼致します。総支配人、あと5分ほどで高坂会長が到着されます」
「分かった」
一生は立ち上がると、また何か分かり次第報告するようにと弁護士に告げて、部屋を出た。