魔法のいらないシンデレラ
静かな総支配人室。
一生、早瀬、そして麗華も、チラチラと瑠璃の様子を気にする。
そんな視線など全く気にせず、瑠璃はカタカタとパソコンを操作していた。
先程、瑠璃は麗華に、
ご用があればいつでもお申しつけくださいませ。わたくしはここで仕事をしておりますので。
と言って、早瀬の隣にパソコンを置いた。
早瀬は、
「瑠璃さん、こちら側に」
と言って、前回とは違う自分の左側に座らせた。
自分が電話に出られるように、との意図もあるが、何より麗華から少しでも遠ざけてやりたかった。
しばらくは、それぞれが自分のことに集中し、沈黙が続く。
と、ふいに瑠璃が立ち上がった。
ソファに近づくと、麗華様、と声をかける。
「な、何よ?」
「わたくしこれから、少し席を外させて頂きたいのですが、その前に何かお飲み物でもお持ちしましょうか?」
「いらないわ」
「かしこまりました。30分ほどで戻りますので」
そう言って一礼する。
瑠璃は早瀬に、庭園の写真を撮ってきますと断ってから出口に向かう。
「ちょっと待って」
その背中に麗華が声をかけた。
はい?と振り向いた瑠璃の横を通り過ぎながら、私も行く、と早口で言った。
二人が出ていったあと、早瀬は一生に急いでたずねる。
「どうしましょう、私も追いかけましょうか?」
一生は、考えを巡らせた。
先程の瑠璃の様子…落ち着いていた。
こちらの心配など、まるで気にする素振りもなかった。
「いや、任せよう。瑠璃さんに」
一生、早瀬、そして麗華も、チラチラと瑠璃の様子を気にする。
そんな視線など全く気にせず、瑠璃はカタカタとパソコンを操作していた。
先程、瑠璃は麗華に、
ご用があればいつでもお申しつけくださいませ。わたくしはここで仕事をしておりますので。
と言って、早瀬の隣にパソコンを置いた。
早瀬は、
「瑠璃さん、こちら側に」
と言って、前回とは違う自分の左側に座らせた。
自分が電話に出られるように、との意図もあるが、何より麗華から少しでも遠ざけてやりたかった。
しばらくは、それぞれが自分のことに集中し、沈黙が続く。
と、ふいに瑠璃が立ち上がった。
ソファに近づくと、麗華様、と声をかける。
「な、何よ?」
「わたくしこれから、少し席を外させて頂きたいのですが、その前に何かお飲み物でもお持ちしましょうか?」
「いらないわ」
「かしこまりました。30分ほどで戻りますので」
そう言って一礼する。
瑠璃は早瀬に、庭園の写真を撮ってきますと断ってから出口に向かう。
「ちょっと待って」
その背中に麗華が声をかけた。
はい?と振り向いた瑠璃の横を通り過ぎながら、私も行く、と早口で言った。
二人が出ていったあと、早瀬は一生に急いでたずねる。
「どうしましょう、私も追いかけましょうか?」
一生は、考えを巡らせた。
先程の瑠璃の様子…落ち着いていた。
こちらの心配など、まるで気にする素振りもなかった。
「いや、任せよう。瑠璃さんに」