魔法のいらないシンデレラ
すると、うーん…と麗華が顔を歪めた。

反応があったことに少しホッとしながら、瑠璃はなおも名前を呼び続ける。

「麗華様!」
「んー、うるさいってば!」

麗華はゆっくり目を開けた。

「良かった…麗華様?大丈夫ですか?」
「痛い…頭が割れそう」
「え?」

瑠璃は、ふとサイドテーブルに目をやった。

ビールの缶がたくさん転がっている。

(もしかして、二日酔い?)

瑠璃はパタパタと冷蔵庫に向かい、中からミネラルウォーターのペットボトルを取り出すとコップに注いだ。

「麗華様、お水です」

そう言って抱き起こすと、瑠璃からコップを受け取り、一気に飲み干した。
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