魔法のいらないシンデレラ
「ど、どうでしたか?」

後ろ手にドアを閉めると、一生と早瀬が瑠璃ににじり寄ってきた。

「えーっと、二日酔いでした」
「は?二日酔い?」

拍子抜けしたように二人はため息をつく。

「まったく、お騒がせだなあ」
「ふふ。さ、戻りましょう!」

瑠璃は笑顔で二人をうながした。

昼過ぎになってようやく姿を現した麗華は、遅い朝食を食べながら、これを食べたら帰る、と唐突に言った。

「え?でも滞在は1週間のはずでは…」
「帰るって言ったら帰るの!私だって忙しいんだから」
「は、はあ。かしこまりました」

三人は、キツネにつままれたような顔で頷いた。
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