魔法のいらないシンデレラ
第二十三章 願い事
いよいよ今日はクリスマス・イブ。
ホテルは大勢のお客様で賑わい、どの部署も大忙しになる。
今年もツリーの前には、チェックアウトの人達が写真を撮ろうと、朝から列が出来ていた。
早瀬は、ロビーの様子をしばらく見守ってから最上階に上がった。
「おはようございます」
総支配人室に入ると、一生は、お?と顔を上げた。
「おはよう。お前、今日は休まなくていいのか?クリスマス・イブだぞ?」
「一生さんは彼女出来たんですか?それなら休みますけど」
ぐっ…と一生がうめき声を上げる。
「けど、お前だって出来なかったんだろ?」
早瀬はコートを脱ぎながらサラッと答える。
「出来ましたよ。好きな人」
「えっ!ほんとか?」
(…まあ、嘘ではない)
「じゃあ今日は休め!待ってるんだろ?彼女」
「いや、仕事してます」
(…これもまあ、嘘ではない)
「そ、そうか。でもお前、今日はちゃんと定時で上がれよ。上がらせるからな!」
なぜそんな、気合いたっぷり?と苦笑いしつつ、早瀬は頷いた。
ホテルは大勢のお客様で賑わい、どの部署も大忙しになる。
今年もツリーの前には、チェックアウトの人達が写真を撮ろうと、朝から列が出来ていた。
早瀬は、ロビーの様子をしばらく見守ってから最上階に上がった。
「おはようございます」
総支配人室に入ると、一生は、お?と顔を上げた。
「おはよう。お前、今日は休まなくていいのか?クリスマス・イブだぞ?」
「一生さんは彼女出来たんですか?それなら休みますけど」
ぐっ…と一生がうめき声を上げる。
「けど、お前だって出来なかったんだろ?」
早瀬はコートを脱ぎながらサラッと答える。
「出来ましたよ。好きな人」
「えっ!ほんとか?」
(…まあ、嘘ではない)
「じゃあ今日は休め!待ってるんだろ?彼女」
「いや、仕事してます」
(…これもまあ、嘘ではない)
「そ、そうか。でもお前、今日はちゃんと定時で上がれよ。上がらせるからな!」
なぜそんな、気合いたっぷり?と苦笑いしつつ、早瀬は頷いた。