魔法のいらないシンデレラ
予想していたとは言え、今日はひっきりなしに総支配人室に電話が入る。
宿泊部、調理部、宴会部…どこも忙しく、些細なトラブルやミスも起こる。
それらを吸い上げて報告してくる早瀬に、一生は的確に指示を出す。
あっという間に17時になった。
「早瀬、定時だ。上がれ」
書類に目を通しながら、一生が短く言う。
「しかし、どの部署もまだ状況が落ち着いていませんし、夜にはさらに忙しく…」
「いいから上がれ!上がれったら上がれ!」
論理的な中身など全くないセリフで、一生は早瀬を睨む。
やれやれ…と早瀬は帰り支度をする。
すると、デスクの電話がまたもや鳴り響く。
早瀬が手を伸ばすより早く、一生は自分のデスクで素早く受話器を上げた。
電話に応答しながら、早瀬に向かって、シッシッ!と手を振ってくる。
厄介者扱いか?と思いつつ、早瀬は一生に一礼した。
と、ちょっと待てと電話の相手に断った一生が、早瀬!と呼び止める。
「はい、何でしょう」
「メリークリスマス。楽しんで来いよ」
早瀬は一瞬瞬きしたあと、笑顔で頷く。
「メリークリスマス。一生さんも、すてきな夜を」
宿泊部、調理部、宴会部…どこも忙しく、些細なトラブルやミスも起こる。
それらを吸い上げて報告してくる早瀬に、一生は的確に指示を出す。
あっという間に17時になった。
「早瀬、定時だ。上がれ」
書類に目を通しながら、一生が短く言う。
「しかし、どの部署もまだ状況が落ち着いていませんし、夜にはさらに忙しく…」
「いいから上がれ!上がれったら上がれ!」
論理的な中身など全くないセリフで、一生は早瀬を睨む。
やれやれ…と早瀬は帰り支度をする。
すると、デスクの電話がまたもや鳴り響く。
早瀬が手を伸ばすより早く、一生は自分のデスクで素早く受話器を上げた。
電話に応答しながら、早瀬に向かって、シッシッ!と手を振ってくる。
厄介者扱いか?と思いつつ、早瀬は一生に一礼した。
と、ちょっと待てと電話の相手に断った一生が、早瀬!と呼び止める。
「はい、何でしょう」
「メリークリスマス。楽しんで来いよ」
早瀬は一瞬瞬きしたあと、笑顔で頷く。
「メリークリスマス。一生さんも、すてきな夜を」