魔法のいらないシンデレラ
きれいな器に盛りつけられた品は、1つ1つが小さくて見た目も美しい。
食べるのはもったいないと思いながら、瑠璃は懐石料理をじっくり味わい、心も体も満たされた。
食事のあとは、女将に勧められた庭園に行ってみる。
庭園へのたった1つの入口は、お店の通路に繋がっており、そこからしか出入りは出来ない。
瑠璃は、なるべく踏み荒らさないように気をつけながら、ゆっくりと木々や花を見て回った。
「きれいねえ。これは椿かしら?」
赤い花を咲かせる木の前で、佐知が立ち止まる。
瑠璃は隣に並んで、じっくり見てみた。
椿にしては花が平たく、葉もギザギザしている。
「これは、サザンカじゃないかしら」
瑠璃が首をかしげながら言うと、足元の札を見たらしい佐知が、
「ご名答よ。瑠璃ちゃん、すごいわね」
感心したような声を上げた。
瑠璃は少し照れたように笑い、もう一度花に顔を近づける。
澄んだ空気の中、凛として咲く鮮やかな色合いのサザンカ。
(すごいなあ。寒さに負けず、こんなにきれいに咲くなんて)
こんなふうに、自分も強くなりたい。
そんな想いで眺めていると、ふいに後ろで、カシャッとカメラのシャッター音がした。
食べるのはもったいないと思いながら、瑠璃は懐石料理をじっくり味わい、心も体も満たされた。
食事のあとは、女将に勧められた庭園に行ってみる。
庭園へのたった1つの入口は、お店の通路に繋がっており、そこからしか出入りは出来ない。
瑠璃は、なるべく踏み荒らさないように気をつけながら、ゆっくりと木々や花を見て回った。
「きれいねえ。これは椿かしら?」
赤い花を咲かせる木の前で、佐知が立ち止まる。
瑠璃は隣に並んで、じっくり見てみた。
椿にしては花が平たく、葉もギザギザしている。
「これは、サザンカじゃないかしら」
瑠璃が首をかしげながら言うと、足元の札を見たらしい佐知が、
「ご名答よ。瑠璃ちゃん、すごいわね」
感心したような声を上げた。
瑠璃は少し照れたように笑い、もう一度花に顔を近づける。
澄んだ空気の中、凛として咲く鮮やかな色合いのサザンカ。
(すごいなあ。寒さに負けず、こんなにきれいに咲くなんて)
こんなふうに、自分も強くなりたい。
そんな想いで眺めていると、ふいに後ろで、カシャッとカメラのシャッター音がした。