魔法のいらないシンデレラ
佐知の興奮は止まらない。

「そしたら、すぐ返信が来たの。ちょうどこちらからも連絡を取りたくて、でも連絡先が分からなくて困ってたって」
「連絡先?どなたの?」
「あなたよ!瑠璃ちゃん。表彰式に来てほしいって」
「ええ?!表彰式?それはいったい…」
「だから、最優秀賞の!写真のお披露目があるから、あなたもお招きしたいって」
「ええー?!」
「表彰式は、3月4日の土曜日ですって。瑠璃ちゃん、空いてる?」
「え、はい。土曜日なら何も…」
「よかった。じゃあすぐにお返事しておくわ。詳しいことはまた連絡するわね。それじゃあ、ごきげんよう」

そこでプツッと電話は切れた。

「ごき、げん、よう…」

ひとり言のように呟き、瑠璃は呆然と立ち尽くした。
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