魔法のいらないシンデレラ
第二章 同窓会
次の週の木曜日。
瑠璃は再びホテル フォルトゥーナ東京に来ていた。
ロビーには、今日もクリスマスツリーの前に写真撮影の列が出来ている。
「まあ!すてきなツリーね」
「俺達も写真撮る?」
「え、でもあの列に並んでいたら、パーティーに遅れちゃうわ」
姉と義兄がそう話すのを聞き、瑠璃は二人にそこに立っていてと告げ、自分はやや遠くに離れた。
スマートフォンの画面をのぞきながら、二人とツリーのバランスがいい角度を探して何枚か写真を撮る。
「うん!少し遠くからだけど、よく撮れたよ。あとで送るね」
「ありがとう、瑠璃ちゃん」
義兄に続いて姉も、ありがとねと微笑む。
「そろそろ行きましょう。遅れるわよ」
母親にうながされ、皆はエレベーターホールへ向かった。
歩きながら、ふと瑠璃は先週の出来事を思い出し、ロビーのソファを振り返る。
(そういえば、あのスタッフの方はどなただったのかしら。和樹さんと知り合いのようだったけれど…)
そこまで考えて、急に眉をひそめる。
あの日の夜遅くに和樹から電話があり、次に会う日を一方的に決められた。
絶対に来るように!と強い口調で言われたその約束の日は、明後日の24日。
つまりクリスマス・イブだった。
(行かないとだめよね。だって和樹さんにとって、私は婚約者のはずだもの)
私にとっては…
その答えをそろそろ決めなくてはいけなかった。
瑠璃は再びホテル フォルトゥーナ東京に来ていた。
ロビーには、今日もクリスマスツリーの前に写真撮影の列が出来ている。
「まあ!すてきなツリーね」
「俺達も写真撮る?」
「え、でもあの列に並んでいたら、パーティーに遅れちゃうわ」
姉と義兄がそう話すのを聞き、瑠璃は二人にそこに立っていてと告げ、自分はやや遠くに離れた。
スマートフォンの画面をのぞきながら、二人とツリーのバランスがいい角度を探して何枚か写真を撮る。
「うん!少し遠くからだけど、よく撮れたよ。あとで送るね」
「ありがとう、瑠璃ちゃん」
義兄に続いて姉も、ありがとねと微笑む。
「そろそろ行きましょう。遅れるわよ」
母親にうながされ、皆はエレベーターホールへ向かった。
歩きながら、ふと瑠璃は先週の出来事を思い出し、ロビーのソファを振り返る。
(そういえば、あのスタッフの方はどなただったのかしら。和樹さんと知り合いのようだったけれど…)
そこまで考えて、急に眉をひそめる。
あの日の夜遅くに和樹から電話があり、次に会う日を一方的に決められた。
絶対に来るように!と強い口調で言われたその約束の日は、明後日の24日。
つまりクリスマス・イブだった。
(行かないとだめよね。だって和樹さんにとって、私は婚約者のはずだもの)
私にとっては…
その答えをそろそろ決めなくてはいけなかった。