敵国王子の溺愛はイケメン四精霊が許さない!~加護持ち側妃は過保護に甘やかされています~
「実際に指揮を執ったのはハウイットだがな」
話している内容が、声を大にして言えるものではないからだろう。殿下の腕が私の腰に回り、グッと引き寄せられて彼の肩口に頭を預けるような恰好になる。
そのまま潜めた声で会話する私たちは、傍からは親密な恋人同士に見えているかもしれない。意識したら不謹慎にも胸がときめいて、高鳴る鼓動が殿下に聞こえないことを祈った。
「それとて殿下の采配によるものです。だから殿下に『ありがとうございます』とお伝えするで正解です。もちろんハウイットさんにも後でちゃんとお伝えしますが」
少しの間を置いて、殿下が重く口を開いた。
「……なぁ、エミリア。俺はさっき君の能力を確信し、すぐに秘す方向で動いた。それは、君自身がその力を人々に明かすことを望まないと思ったからだ」
やはり殿下は、私の能力を今日より前の段階で、確証はなくとも察していたようだ。
話している内容が、声を大にして言えるものではないからだろう。殿下の腕が私の腰に回り、グッと引き寄せられて彼の肩口に頭を預けるような恰好になる。
そのまま潜めた声で会話する私たちは、傍からは親密な恋人同士に見えているかもしれない。意識したら不謹慎にも胸がときめいて、高鳴る鼓動が殿下に聞こえないことを祈った。
「それとて殿下の采配によるものです。だから殿下に『ありがとうございます』とお伝えするで正解です。もちろんハウイットさんにも後でちゃんとお伝えしますが」
少しの間を置いて、殿下が重く口を開いた。
「……なぁ、エミリア。俺はさっき君の能力を確信し、すぐに秘す方向で動いた。それは、君自身がその力を人々に明かすことを望まないと思ったからだ」
やはり殿下は、私の能力を今日より前の段階で、確証はなくとも察していたようだ。