敵国王子の溺愛はイケメン四精霊が許さない!~加護持ち側妃は過保護に甘やかされています~
第十二章 禍の夜
夜半に眠りの世界から意識が浮上した。
……ん、なに?
ぞわぞわとした焦燥と不快感に眉を寄せながら、私は寝台から身を起こす。そのまま視線をぐるりと巡らせて、カーテンの隙間から漏れる明るさに気づく。眠気が一瞬で吹き飛んだ。
嫌な予感がした。
震える足で寝台を下り、スリッパを履くのも忘れて裸足のままバルコニーに繋がる長窓に向かう。逸る思いでカーテンを引き開けて、目に飛び込んできた光景に息をのむ。
「なんで!? 外が真っ赤だわ!?」
慌ててバルコニーに飛び出していって空を仰ぐ。
空が一面禍々しい赤色に染まっていた。日没前と同じくらい明るくて、夜空を彩る星々も月も今は一切見えない。
夕焼けのオレンジがかった赤とは違う、熟れすぎたザクロみたいな赤黒さはひどく不気味でゾクリとした。
なに? いったいなにが起こっているの。それに、この異変はいつから……?
ふいに階下から響いてくる雑多とした声や音に意識が向く。
……ん、なに?
ぞわぞわとした焦燥と不快感に眉を寄せながら、私は寝台から身を起こす。そのまま視線をぐるりと巡らせて、カーテンの隙間から漏れる明るさに気づく。眠気が一瞬で吹き飛んだ。
嫌な予感がした。
震える足で寝台を下り、スリッパを履くのも忘れて裸足のままバルコニーに繋がる長窓に向かう。逸る思いでカーテンを引き開けて、目に飛び込んできた光景に息をのむ。
「なんで!? 外が真っ赤だわ!?」
慌ててバルコニーに飛び出していって空を仰ぐ。
空が一面禍々しい赤色に染まっていた。日没前と同じくらい明るくて、夜空を彩る星々も月も今は一切見えない。
夕焼けのオレンジがかった赤とは違う、熟れすぎたザクロみたいな赤黒さはひどく不気味でゾクリとした。
なに? いったいなにが起こっているの。それに、この異変はいつから……?
ふいに階下から響いてくる雑多とした声や音に意識が向く。