敵国王子の溺愛はイケメン四精霊が許さない!~加護持ち側妃は過保護に甘やかされています~
第三章 呪われた王女と鎧騎士の輿入れ道中
ガルニア王国からやって来た使者団に伴われ、王都を発って二日目。
休憩中の使節団に、全身鎧を纏った騎士様が合流してきた。
鎧の騎士様は私を目にするや、なぜか一直線に向かってくる。
……えっ? なんでこっちに来るの!?
緊張に喉を鳴らし、なんとか震える足を叱咤して立ち上がる。
「其方がアドランス王国の王女か?」
昨日から一緒に旅をしている使者団員に、全身鎧を着た人はひとりもいない。外交官らは旅装のローブを身に着けていたし、私が乗る馬車を護衛する騎士も胴の部分を守る簡易鎧のみ。兜まで装備したフルプレートメイルで表情すら窺えないその人は、明らかに異質だった。
さらに二メートルを超す長身で、向かいに立たれると威圧感が凄まじい。
「は、はい。アドランス王国の王女、エミリアでございます」
銀の鎧で陽光をギラギラと弾きながら低い声で誰何されて、私はビクビクと身を縮めながら答えた。
「今日から俺が其方の護衛に付くことになった」
「えっ!?」
休憩中の使節団に、全身鎧を纏った騎士様が合流してきた。
鎧の騎士様は私を目にするや、なぜか一直線に向かってくる。
……えっ? なんでこっちに来るの!?
緊張に喉を鳴らし、なんとか震える足を叱咤して立ち上がる。
「其方がアドランス王国の王女か?」
昨日から一緒に旅をしている使者団員に、全身鎧を着た人はひとりもいない。外交官らは旅装のローブを身に着けていたし、私が乗る馬車を護衛する騎士も胴の部分を守る簡易鎧のみ。兜まで装備したフルプレートメイルで表情すら窺えないその人は、明らかに異質だった。
さらに二メートルを超す長身で、向かいに立たれると威圧感が凄まじい。
「は、はい。アドランス王国の王女、エミリアでございます」
銀の鎧で陽光をギラギラと弾きながら低い声で誰何されて、私はビクビクと身を縮めながら答えた。
「今日から俺が其方の護衛に付くことになった」
「えっ!?」