敵国王子の溺愛はイケメン四精霊が許さない!~加護持ち側妃は過保護に甘やかされています~
会ってすぐの頃に、騎士様が『君はとてもいい香りがする』と言ってくれたのを思い出す。
何個か持ってきたポプリの中で、一番綺麗な布と紐で作ったいっとう気に入りのそれ。しかし所詮は廃棄する材料を融通してもらって作った物で、その見栄えは真新しい品に遠く及ばない。
こんな物を渡したら、子供だましと笑われてしまうだろうか。……いいえ、騎士様は笑ったりしない。
兜の下の顔を見たことはないけれど、彼はきっと優しく目を細め、喜んで受け取ってくれるだろう。
明日、騎士様にお渡ししよう。最後のお別れに心からのお礼と感謝を込めて──。
そうして翌日、私は使者団を離れる騎士様に心からの感謝を伝え、ポプリを渡した。
何個か持ってきたポプリの中で、一番綺麗な布と紐で作ったいっとう気に入りのそれ。しかし所詮は廃棄する材料を融通してもらって作った物で、その見栄えは真新しい品に遠く及ばない。
こんな物を渡したら、子供だましと笑われてしまうだろうか。……いいえ、騎士様は笑ったりしない。
兜の下の顔を見たことはないけれど、彼はきっと優しく目を細め、喜んで受け取ってくれるだろう。
明日、騎士様にお渡ししよう。最後のお別れに心からのお礼と感謝を込めて──。
そうして翌日、私は使者団を離れる騎士様に心からの感謝を伝え、ポプリを渡した。