敵国王子の溺愛はイケメン四精霊が許さない!~加護持ち側妃は過保護に甘やかされています~
第五章 望まれない側妃にまさかの好待遇!?
ガルニア王宮に到着し、ジークフリード殿下と初対面してから一夜が明けた。
滑らかな絹のシーツがかかったふかふかの寝台で、私は目覚めた。ゆっくり瞼を開くと、天蓋の紗幕越しに豪華な室内の様子が見える。
紗幕を割って寝台を下り、やわらかな絨毯を踏む。長窓の前まで歩き、美しく整えられた王宮の前庭を見下ろした。
「やっぱり夢じゃないんだ……」
分不相応な部屋に身に余る厚遇。ひと晩明けても信じ難い状況に困惑しきりのまま、束の間ジークフリード殿下との出会いの一幕に思いを馳せた──。
昨日。馬車が王宮に到着すると、外から声をかけられた。
『エミリア姫、お手をどうぞ』
低く張りのあるその声にどことなく既知感を覚え、小さく鼓動が跳ねた。耳馴染みのいいこんな声を、つい最近聞いたような気がした。
視線を向けると、精悍な男性がやわらかな微笑みをたたえて手を差し出していた。
滑らかな絹のシーツがかかったふかふかの寝台で、私は目覚めた。ゆっくり瞼を開くと、天蓋の紗幕越しに豪華な室内の様子が見える。
紗幕を割って寝台を下り、やわらかな絨毯を踏む。長窓の前まで歩き、美しく整えられた王宮の前庭を見下ろした。
「やっぱり夢じゃないんだ……」
分不相応な部屋に身に余る厚遇。ひと晩明けても信じ難い状況に困惑しきりのまま、束の間ジークフリード殿下との出会いの一幕に思いを馳せた──。
昨日。馬車が王宮に到着すると、外から声をかけられた。
『エミリア姫、お手をどうぞ』
低く張りのあるその声にどことなく既知感を覚え、小さく鼓動が跳ねた。耳馴染みのいいこんな声を、つい最近聞いたような気がした。
視線を向けると、精悍な男性がやわらかな微笑みをたたえて手を差し出していた。