敵国王子の溺愛はイケメン四精霊が許さない!~加護持ち側妃は過保護に甘やかされています~
第六章 側妃の寝室に隠された真実
その日の晩。
「それではエミリア様、私はこれで失礼いたします。おやすみなさいませ」
「おやすみ、アニータ」
アニータが自室に下がる。
私は早々と寝台に入り、瞼を閉じた。ところが一向に眠りは訪れない。思い浮ぶのは、昨日から今朝にかけてのジークフリード殿下の態度。人質の側妃に向けるにはあまりに不可解な殿下の言動が寝がけの私を悩ませた。
……ダメだわ、すっかり目が冴えちゃった。夜風でも浴びて、少し頭を冷やそうかしら。
眠るのを諦めてむくりと起き上がった。
サイドテーブルからランプを掴み、バルコニーに向かおうとして、ふと寝台の奥側にある落ち着いた意匠の扉に目が留まった。
「そういえば、この扉って……」
昨日のうちにアニータから室内のことはひと通り説明を受けていたが、この扉については聞かされていなかった。
「収納かなにかかしら。リネン類の予備でもしまっているのかもしれないわね」
「それではエミリア様、私はこれで失礼いたします。おやすみなさいませ」
「おやすみ、アニータ」
アニータが自室に下がる。
私は早々と寝台に入り、瞼を閉じた。ところが一向に眠りは訪れない。思い浮ぶのは、昨日から今朝にかけてのジークフリード殿下の態度。人質の側妃に向けるにはあまりに不可解な殿下の言動が寝がけの私を悩ませた。
……ダメだわ、すっかり目が冴えちゃった。夜風でも浴びて、少し頭を冷やそうかしら。
眠るのを諦めてむくりと起き上がった。
サイドテーブルからランプを掴み、バルコニーに向かおうとして、ふと寝台の奥側にある落ち着いた意匠の扉に目が留まった。
「そういえば、この扉って……」
昨日のうちにアニータから室内のことはひと通り説明を受けていたが、この扉については聞かされていなかった。
「収納かなにかかしら。リネン類の予備でもしまっているのかもしれないわね」