逃すもんか


「高木さん。平岡さんは婚約者がいるわよ。」

「え〜。あの飲み会からそんなに経ってないのに?」

私と北野さんは頷いた。

「ああ〜逃しちゃったのかぁ私。ハァ…」

「ねぇ、芽生ちゃん、芽生ちゃんだけを好きになってくれる男性を見つけたほうがいいと思うよ?」

「さゆりちゃんは、恋愛の先を考えてないからそういうけどさ、やっぱり自慢の旦那さんがいいジャン!」

「自慢の旦那さんって事は、ひっくり返したら、旦那さんからは、自慢の奥さんにならなきゃダメって事でしょう?…」

「ちょっと!どういうこと?私には無理だって事?」

「自慢の奥さんってどんな人かなぁ〜って考えてただけだよ?」

「きっとエリートでセレブなご主人なら海外勤務もあるから、
帰国子女や語学ができて、
海外のパーティーでは着物だろうから着付けができるような女性をイメージしちゃうなぁ…」と北野さんが具体的に話しをすると、

芽生ちゃんは考えているのか無言になった。

「ヨシ!合コンより英会話教室に通ってそこでカッコイイ男性との出会いもする!
ありがとう。」
とまたレディースランチを食べ始めた。

芽生ちゃんが考えている理想の結婚…
私には理解ができない…
どうか芽生ちゃんがセレブな遊び人に騙されませんように。
と願うゆかりだった。
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