逃すもんか

「あ、史弥と中島さんは結婚式から参列して欲しいんだ。」

「そうそう。
父たちが、結婚式は家族だけであとは親友のみにしたの。
だから会社関係の方は披露宴からなのよ。」

「もしかして、親戚も多いの?」

「うん。親戚もそうだけど、両家とも
ウチの白石家と本郷家の様に、北野家も親友家族がいるからさ」

「そうかぁ。」

「親父たちの会社関係も招待すると芸能人の結婚式みたいな人数になっちゃうから…ね〜
美桜ちゃん」

「そうなの…」

「美桜ちゃん?……北野さんと付き合いだしたの日曜日で3日しか経ってないのにさ〜
ちゃんづけとか、こんなウザい平岡さんを嫌いにならないでね。北野さん。

「うん。大丈夫。」

「ちょっと、史弥。ひどい…」

「ハハ。」

今週末は、両家の両親と平岡さんと北野さんで、
結婚式場へ正式に予約申し込みをするらしい。

明日の会社帰りにはデパートや宝石店へ行って、指輪を見てみるそうだ。

本当に幸せそうな2人を見て、次はオレが勇気を出す番だなと気持ちが固まった。
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