逃すもんか
オレは、今までフランス目指して努力している。

彼女…がいればもっと楽しい毎日なんだろうなぁとずぅーと思ってた。

金を貯めるのに倹約している生活…
周りの同じ年頃の職人たちもほとんど彼女がいるし…
でも、誕生日のプレゼントにデート代、旅行にクリスマスといつも彼女がいるヤツらは
「金がねぇ〜」と言いつつ幸せそうだった。

そしてオレの事をカゲでは…
『大崎先輩って、自炊で昼も弁当だろ?
なんかケチな感じしねぇ?」

「あ、飲み会も平岡さんとしかいかないしなぁ〜
女の子がたくさん来るような店じゃあなく、居酒屋ばっかりみたいだしなぁ…』

『仕事は出来る先輩だけど一緒に遊びに行ってもつまんないと思うなぁ〜。
俺らと一緒にナンパなんかしないタイプじゃん?』

「まぁ、ホラ地方出身だからじゃあない?」

「それに趣味とか無さそう…」などと噂していた。

確かに必死で金も貯めてるけど、オレだって彼女ができたら、デート代やプレゼント代くらいはある。

今は馬鹿にされても貶されても、
【夢が叶う】までは辛抱の時なんだと自分に言い聞かせている。

まだ24歳。【フランスで超一流職人】になったら、すぐにでも結婚もする気でいる。

去年の今頃、フランス語教室の初級の女の子に告白された。
好きでもない子と付き合わなくて良かったと思ってる。
だって…彼女がいるのに中島さんを好きになっていた二股野郎になるところだったから…

あ、公園かぁ…ヨシ! 頑張れオレ!
中島さんに告白するぞ〜
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