逃すもんか

「今日はオレも嬉しいけど、恥ずかしいからもう行こうかぁ」

「ハイ。行きましょう。行きましょう…」

2人はベンチから立ち上がり、史弥が手を出す。

ゆかりが史弥の手を見ていると、史弥に
「手を繋いで帰ろう。」

「はい！」とゆかりは史弥と手を繋いだ。

お互い顔を見合わせて、微笑んだ。

「オレたちも北野さんや平岡さんのようにラブラブになろうな！」

「はい。なりましょうね！」

そのあとゆかりのアパートまではあまり話しもせず、ニコニコしながら手を繋いで歩いた２人。

いつものようにアパートの前で別れた。
史弥はゆかりが部屋に入るのを確認してから来た道を戻って行った。