逃すもんか
「そう。結婚ってやっぱり本人たちより
家同士の繋がりを持つわけだもんなぁ…
ても、雨降って地固まるってヤツで、ケンカして更にお互いを理解して良かったね」

「うん。ありがとう史弥。
ところで史弥はどうなの?ゆかりちゃんと上手くいってる?」

「うん。ゆかりもフランス語教室に通い出した。
初級コースで頑張ってるよ。
ゆかりはオレの【夢】の応援隊長になってくれて、オレを理解してくれる。」

「そっかぁ…史弥だって採用となれば、
田村先輩家族みたいにゆかりちゃんと結婚してからフランスへ行くつもりなんだろ?」

「うん。もちろん!
この前も採用されたら会社を直ぐに辞めるの?って質問されたんだ。

でもオレさ〜ゆかりに今はプロポーズ的な事を軽々しく言えないっていうかぁ…
だって、田村先輩の恩師の片桐先生の実力テストも受けてないし、
先生からOKが出てない。
ましてや職人の空きもないらしいんだ。
まだまだ中途半端という状態でプロポーズはできないからさ〜
あ、平岡さん。この事…美桜さんには言わないで欲しい……」

「もちろん。史弥とゆかりちゃんの問題だし、言わないと約束する。
でもさ〜片桐先生の実力テストって10月か11月じゃなかった?」
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