逃すもんか
平日のクリスマスは、
史弥のアパートでケーキを買って、チキンも買い、冷凍ピザを焼いて2人だけのクリスマスパーティー。
ゆかりから史弥へは、カシミアのマフラー。
史弥からゆかりへは、ダイヤのピアスをプレゼントし合った。

その日はそのまま史弥のアパートで過ごした。

翌日、2人ともプレゼントされたマフラーとピアスをして出勤した。

お正月は、それぞれ実家へ帰省した。

史弥はお土産のお菓子と赤べこの置き物をゆかりへ渡した。
ゆかりのお土産は、冷凍してある笹団子20個入りだった。
それを見た史弥は笑いながら
「ゆかり、ありがとう。こんなにたくさん…クク。
やっぱりゆかりはオレの〈笑いのツボ〉を外さないよなぁ〜。
うまそうだから少し解凍して食べよう」

「うん。でも何で笹団子が〈笑いのツボ〉なの?」

「一人暮らしに20個ってさ〜。オレが笹団子好きだからたくさん買ったんだろう?
でも、20個って1人なら多いだろ?
だから、可愛いなぁって笑っちゃうんだ」

「うん。確かに笹団子好きだからたくさん買ったら喜んでくれるかな?って思ったけど……」

「クク。」

「史弥さんの〈笑いのツボ〉がわかんない!
でも ま、いいか。 
この赤べこちゃんもウンウンって首が動いてるし〜」

と、こんなやり取りもする。
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