逃すもんか

やっぱり、平岡さん以外の同期からは見下されてるんだなぁ。
７年経つのにあの人は変化無しの人なんだろうな。

高木さんとゆかりがオレのところへ来た。
「大崎さん、私の事覚えてますぅ？」

「はい。高木さんですよね？」

「当たり〜。今話してたのって営業部の細川さん？」

「はい。同期です。」

「あ、大崎さんは高卒だから…。
あ、あの細川さんはねぇ、あんまり評判良くないんだよね〜」と小声で説明し始めた高木さん。

「何でも〜担当店の店長と販売員から本社にクレームが入って、担当店変更してもまたクレームらしいよ？
上から目線で販売目標だけで、販売員とか店長を罵るだって〜 そんな担当者だとね〜
だから営業からオンライン販売部に異動になるかもってウワサがあるの。
みんな嫌がってるけど〜 」

「ふ〜ん。そうなんだ。」

「芽生ちゃんは何でも知ってるんだね。」

「まぁね。営業の人たちとの飲み会で聞いたんだ〜そしてね〜　店長会議で店長たちが集まったりすると、担当の話しになるらしくて〜
平岡さんがめっちゃいい営業さんって聞いて、ウチの店の営業担当になって欲しいっていう店長さんが多いって聞いたよ？
だから北野さんはエリートと結婚できて良かったよね〜」

ゆかりは苦笑いしていた。
オレは高木さんの解釈だと…
北野さんがエリートの平岡さんをゲットしてラッキーだね。ってことか？　ん？

平岡さんの一目惚れだよ？　北野さんも馴れ初めを話してないのかぁ〜

クク… いいこと考えた〜！
平岡さんゴメン北野さんの名誉の為だから許してね〜

そう…
オレは友人スピーチで平岡さんと北野さんの馴れ初めを暴露した。

平岡さんは「オイ！史弥！恥ずかしいだろう〜」と
ひな壇席で大声をあげていた。
でも…オンライン販売部の女の子達は、平岡さんの一目惚れと聞いてビックリしていた。
北野さんが平岡さんに言い寄ったと思っていた様だった。