逃すもんか
パリ郊外にある田村さんのアパルトマン。

「パリが東京だと考えたら、群馬に近い埼玉?って感じの所かな。住宅街だし買い物なんかも便利なところだよ」

「家賃はやっぱり高いですか?」

「うん。こんな郊外だけど結構高いかな…
ここの3階なんだ。どうぞ」と田村先輩の案内で部屋へ向かう。

ブ〜♪
「は〜い」と京香さんの声がした。

ガチャ!
「ああ〜大崎くんいらっしゃい!お疲れ様だったわね。さぁ入って!」

「おじゃまします。」
京香さんの後ろにピッタリくっついてオレを覗いている昇太くん。

「昇太くん。こんばんは」

「こんばんは…お父さん。この人絵本の人?」

「そうだよ。毎年昇太に絵本をプレゼントしてくれてる おおさき ふみやお兄さん。だよ」

「ふみお兄さん… こんばんは」

「ふふふ。昇太は恥ずかしがり屋さんなのよ。
さあ、ここに座ってご飯を食べましょう。」

「京香、今日のメニューは?」

「ハンバーグだよ。」

「ヤッタ!」と恥ずかしがり屋の昇太くんが叫んだ。

可愛いなあ。オレとゆかりが結婚したらオレらもこんな感じなのかなぁ…
その後今回の課題製作の話しや、会社の話しなどたくさん話しをした。
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