逃すもんか
昇太くんを寝かしつけるのに京香さんと昇太くんは、寝室へ行った。
「大崎くん。俺にも課題のバッグと製作指示書見せてもらっても良い?」
「はい。」と、オレはスーツケースからバッグが入った箱と指示書を渡した。
田村先輩は、箱からバッグを出し指示書を読む。
一緒に完成図のデッサンも見た。
「すごいね。大崎くんはすごく腕を上げたな。
これなら一発合格だわ〜」
「ありがとうございます。」
そして丁寧にまたバックや指示書をしまってオレに返してくれた。
明日、採用が決定したら直ぐに契約になるかも知れないから、今の会社を辞める時期をある程度考えて行った方がいいし、
彼女と入籍を日本でしてからの方がスムーズに手続きし易いと教えてくれた。
「あ、帰りの飛行機は土曜日?
婚約指輪は金曜日に買いに行けば良いかな?」
「はい。日曜日の昼過ぎに日本到着なんで、
その日にプロポーズしようと思って…」と史弥が照れている。
「おめでとう。コッチでまた一緒に頑張ろうな。」
「こちらこそ、わからない事を頼っちゃうと思いますけど、よろしくお願いします。」
「疲れただろう?シャワーに入って寝なよ。
大崎くんには申し訳ないんだけど、ソファーベッドがある昇太の部屋で寝てもらうから。案内するね。」
と田村先輩に付いていく。
来年からこの部屋で1人で寝るようにするらしい。
隅っこに昇太くんのオモチャコーナーがあった。
本棚にはオレがプレゼントした絵本も入っていた。
その部屋にあるソファーを広げてシーツやお布団を先輩と準備して、シャワーを先に借りることにした。