逃すもんか
契約書にサインしてから、工房や事務所の方へも案内してくれたリュカ師匠。

本社の事務所でも必要な書類を渡された。
就労ビザの事も詳しく教えてくれたし、給料などの事も詳しく説明された。
今の会社よりかなり給料は上がるが家賃が高いから今と変わらない生活かもしれない。

そして、まだ入籍してないが妻と一緒にフランスへ来るつもりだと話すと、それに必要な書類も渡された。

リュカ師匠もニコニコしてる。
仕事中だが、リュカ師匠は社内の休憩室でお茶を飲もうと誘ってくれた。

自由に飲んでいいお茶コーナーでコーヒーを淹れてくれた。

「はい。オオサキ」

「ありがとうございます。クスクス」

「どうした?」

「片桐先生も課題の製作図や指示書を見る前にコーヒーを淹れて下さって、私をリラックスさせてくれました。」

「そう。昔と変わらないんだなぁカタギリサン」
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