逃すもんか

オンライン販売部

平岡さんちでプロポーズされた日。
あまりにも泣きすぎてアパートに戻ってから必死に目を冷やしたり、温めたりした。
ちょっとげっそりして、泣いて目が腫れている私を心配して史弥さんは泊まってくれた。

朝起きてみると、顔全体がむくんだように見えるけど化粧で誤魔化そう…

朝早く史弥さんは自分のアパートへ戻って着替えてから出勤する。が、
玄関で「ゆかり。婚約指輪は必ずするんだぞ！」

「え、でも…まだ両家の親にも挨拶してないし〜」

「オレは絶対にゆかりのご両親にどんな事しても許してもらってゆかりをフランスへ連れてくし！」

「うん。わかった！
もし史弥さんファンに意地悪されたら助けてよ〜」

「そんな子はいないから安心しろ！」チュ！

「もう〜。わかった必ず嵌めて行くから〜」

「いい子だ」チュ！
「じゃあ、今夜お土産持って平岡さんち集合な。」

「うん、またメールするね。」と手を振って見送った。
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